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得意先別単価の管理方法|掛率・数量・期間別価格の設計

2026年8月20日21分で読める

得意先別単価は、基準価格と例外価格を分け、得意先・商品・数量・適用期間の組み合わせと優先順位を決めて管理します。単価の数字だけを一覧にしても、どの取引で使う価格かが分からなければ、見積や受注のたびに担当者へ確認する状態は変わりません。条件と根拠を単価と一緒に残すことが、誤適用を防ぐ出発点です。

50〜200名規模のBtoB物販企業では、現行単価の抽出、適用軸の選択、優先順位の決定を3ステップで進めます。得意先・商品・数量・適用期間の4軸マップを使い、通常単価、契約単価、期間特価を見積・受注で迷わず参照できる運用へ落とし込みます。

得意先別単価とは何か

基準価格から掛率・契約条件・特価へ分ける得意先別単価の全体像

標準単価・掛率・契約単価・特価の違い

標準単価は、個別条件がない取引で参照する基準です。掛率による単価は基準価格に得意先区分などの率を掛けて求め、契約単価は得意先と合意した商品・期間の価格を指します。特価は、案件やキャンペーンなど限定された条件で使う例外価格です。

4種類を同じ列へ上書きすると、通常価格へ戻す時点や承認済みの範囲が分からなくなります。基準と例外を分け、価格区分、適用条件、開始日・終了日、根拠、承認者を一組で持ちます。得意先の請求先や部門の登録単位が曖昧な場合は、先に取引先マスタの整備方法で参照先を確定します。

単価パターン別の使い分け早見表

単価パターンは、安い順ではなく適用条件の具体性で使い分けます。対象が広い標準単価を土台にし、得意先、商品、数量、期間が限定されるほど例外として扱います。特定商品の個別価格は商品別単価として区分し、次の表で価格だけでなく必要な記録と優先順位の考え方をそろえます。

標準得意先別商品別数量別期間特価用途優先順位必要記録
通常取引の基準。商品を条件にする掛率・契約価格。得意先と商品群を条件にする特定商品の個別価格。得意先と商品を条件にする注文量に応じる価格。商品と数量帯を条件にする期間限定の例外。得意先・商品・期間を条件にする見積・受注で適用条件を判定する条件が具体的な例外を標準より先に確認する区分、条件、期間、根拠、承認者、終了後の参照先

表の優先順位は全社共通の固定解ではなく、自社が採用するルールを明文化するためのひな型です。特に、契約単価と数量別単価が同時に該当する場合は、どちらを優先するかを事前に決めます。価格区分だけでなく不適用となった理由も残すと、見積の再確認が容易になります。

得意先別単価を設計する3ステップ

現行単価の抽出から適用軸と優先順位を決める3ステップ

現行単価と例外取引を洗い出す

最初に、商品マスタ、得意先台帳、見積、受注、契約書など、価格が記録されている資料を集めます。同じ商品でも異なる価格があれば、誤りと決めつけず、得意先、数量、期間、案件のどの条件で生じた差かを整理します。出所が分からない単価は正本にせず、確認対象として分けます。

洗い出し表には、得意先、商品、数量帯、適用開始・終了、価格根拠、承認者を置きます。商品コードや単位が揃っていない場合は商品マスタ管理・整備の方法と切り分け、同一商品かを先に確定します。現行伝票を再現できる状態を作ってから、新しいルールへ移ります。

得意先商品数量帯適用開始・終了価格根拠承認者
登録コードで指定商品コードで指定下限・上限と単位開始日と終了日契約、見積、申請など役割または担当者

得意先・商品・数量・期間の適用軸を選ぶ

得意先・商品・数量・適用期間を交差させる単価決定4軸マップ

単価を決める軸は、得意先、商品、数量、適用期間の4つです。すべての取引に4軸を必須とするのではなく、価格差の根拠になる軸だけを選びます。得意先だけで決まる掛率、商品ごとの契約単価、一定数量に達した場合の価格、期間限定の特価を分けて登録します。

管理キー判断する問い記録する条件
得意先取引先コードどの得意先に適用するか法人、支店、請求先などの単位
商品商品コードどの商品・商品群に適用するか個別商品、分類、販売単位
数量数量帯どの注文量で切り替えるか下限、上限、単位
適用期間開始日・終了日いつからいつまで有効か開始、終了、終了後の参照先

この表は顧客調査の集計ではなく、販売管理の実装事実を基に条件を4軸へ整理した独自編集フレームです。軸を増やすほど精密になりますが、見積担当者が確認できなければ運用できません。例外が少ない商品は標準単価だけにするなど、実在する価格差に必要な軸へ絞ります。

複数条件が重なったときの優先順位を決める

複数条件が一致したときは、担当者が都度安い価格を選ぶのではなく、適用順を固定します。たとえば、期間内の契約単価、数量条件、得意先掛率、標準単価という候補があるなら、自社がどの順で判定するかを表にします。最初に一致した条件を採用するのか、承認済み特価を最優先にするのかも明記します。

優先順位表には、条件名、優先度、同順位時の判断者、不一致時の次候補を置きます。自動選択を前提にせず、見積・受注時に適用条件と根拠を確認できる手順にします。ルールを変えた場合は過去伝票へ遡って上書きせず、変更日以降に参照する条件として履歴を残します。

見積・受注で単価違いを起こさない運用

単価の根拠と終了した特価を見積・受注で識別する運用図

単価の根拠と承認済み条件を見積に残す

見積には販売単価だけでなく、参照した価格区分、条件、根拠、承認情報を残します。契約単価なら契約・合意の識別情報、期間特価なら開始・終了日、例外値引きなら申請理由と承認者を対応付けます。後から同じ条件で再見積できることが、価格管理の目的です。

見積時点の粗利も確認し、単価の適用と値引き判断を混同しないようにします。売上と原価を案件単位で見る方法は案件別の粗利管理で整理しています。見積の版を更新する場合も、旧版の単価と根拠を残し、どの版が受注に採用されたかを追えるようにします。

終了した特価と旧単価を上書きせず識別する

終了した特価や旧単価は削除せず、有効・終了の状態と適用期間で識別します。現在の単価へ上書きすると、過去の見積や受注で使った価格を再現できません。終了日を迎えた後に参照する標準単価または契約単価も、切替前に決めておきます。

見積の有効期間中に単価が変わる場合は、新規見積、既出見積、受注済みを分けて扱います。一律に最新単価へ置き換えず、合意内容と自社ルールに沿って対象を判定します。見積の管理単位や版管理の確認点は見積管理システムの選び方で詳しく解説しています。

単価管理に必要なシステム要件

単価項目・期間・変更履歴と顧客・見積・受注の参照関係を示す図

単価項目・適用期間・変更履歴の確認項目

システムでは、価格区分、得意先、商品、数量帯、開始日・終了日、価格根拠、承認者を記録できるか確認します。条件の変更前後と更新者を追えなければ、旧単価が使われた理由を説明できません。終了済み条件を通常の候補から外しつつ、過去伝票からは参照できる設計が必要です。

販売HUBでは、得意先別単価の自動適用と将来日の予約切替は利用できません。会社固有の適用軸、期間、根拠はカスタム項目に記録して可視化し、見積・受注時に担当者が参照して確認します。出典: 販売HUB公式サイト(https://hanbai-hub.com/・取得日 2026-08-15)

見積・受注・顧客情報を一体で参照する

単価表だけを独立させると、顧客情報や見積へ転記するたびに条件が欠けます。得意先コードを起点に、顧客情報、見積、受注の各画面から価格区分と根拠を参照できることを確認します。単価を変更した後も、過去伝票は作成時点の価格を保持する必要があります。

販売HUBは顧客管理、カスタム項目の自由追加、見積管理、受注管理を一体で備えています。条件が重なった際の自動判定には対応していないため、4軸の条件と優先順位を担当者が確認する運用が必要です。卸・商社の取引全体との関係は商社・卸の販売管理システムも参照し、実際の4軸を使って製品体験で適合を確かめます。

得意先別単価に関するFAQ

掛率から販売単価をどう計算する?

基本形は「販売単価=基準価格×掛率」です。ただし、同じ掛率でも基準価格の種類、販売単位、端数処理が違えば結果は一致しません。計算式だけでなく、どの基準価格を使い、端数をどの段階で処理するかを社内ルールとして固定します。

見積には計算後の単価とともに、基準価格、掛率、適用日、根拠を残します。税の扱いや販売単位も別項目で確認し、担当者が電卓で計算した結果だけを登録しないようにします。契約単価が別に存在する場合は、掛率計算よりどちらを優先するかも決めます。

同じ得意先で商品ごとに単価を変えられる?

商品ごとの価格条件を記録すれば、同じ得意先でも商品別に単価を分けて管理できます。必要なのは、得意先コードと商品コードの組み合わせに加え、数量帯や適用期間が重なる場合の優先順位です。商品名だけでなく共通の商品コードを使い、表記違いによる別商品扱いを防ぎます。

販売HUBは、その組み合わせから単価を自動選択する機能には対応していません。カスタム項目に条件と根拠を記録し、見積・受注で一体参照する運用を設計します。自動化が必須要件なら、別の仕組みを含めて選択方法と変更履歴の残し方を検討します。

得意先別単価はExcelでも管理できる?

条件が少なく、一人の担当者が見積まで処理する段階なら、Excelでも得意先、商品、単価、期間を一覧化できます。難しくなるのは、複数人が更新する、数量条件が増える、終了した特価が残る、見積・受注へ転記する場面です。更新差と転記漏れが出たら一元化を検討します。

Excelを続ける場合も、価格だけの表にせず、4軸、優先順位、根拠、承認者、更新日時を持たせます。編集権限と正本ファイルを一つにし、旧版を上書きしない運用が必要です。システム移行時には、その列をカスタム項目や見積の参照項目へ対応付けます。

まとめ|単価の値より適用条件を管理する

得意先別単価は、標準単価、掛率、契約単価、特価を分け、得意先・商品・数量・適用期間の4軸と優先順位で管理します。現行単価を集め、必要な軸を選び、条件が重なった場合の適用順を決めれば、担当者の記憶に依存しない見積・受注へ近づきます。

単価を変更するときは旧条件を上書きせず、期間、根拠、承認者を残します。販売HUBではカスタム項目で条件を記録し、顧客・見積・受注を一体参照する範囲から適合を確認してください。

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