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価格改定の実務|既出見積・受注残・単価マスタの切り替え方

2026年8月21日22分で読める

価格改定は適用開始日を先に決め、既出見積・受注済み・新規受注を分け、旧単価を上書きせず切り替えます。得意先への通知だけを終えても、見積の有効期間や未納の受注残を確認しなければ、改定後に旧単価と新単価が混在します。対象と日付を一つの判定表で管理することが実務の中心です。

50〜200名規模のBtoB物販企業では、通知日・合意日・適用開始日の3つの日付と、既出見積・受注残・新規受注・単価マスタの4つの対象を分けて管理します。対象抽出、例外ルールの決定、旧単価を保持した切替確認という3ステップで、顧客・見積・受注を横断して判断できる運用へ落とし込みます。

価格改定で最初に決めること

通知日・合意日・適用開始日と改定対象を整理する価格改定の全体図

価格改定と個別値引き・期間特価の違い

価格改定は、基準価格や契約単価を将来の取引に向けて変更する運用です。個別値引きは特定の案件や見積に対する例外、期間特価は対象と終了日を限定した一時的な価格です。3つを同じ処理にすると、通常価格へ戻す条件や承認履歴が分からなくなります。

改定では、旧単価と新単価の境界を適用開始日で示し、既存取引へどちらを使うかを別途判定します。平常時の価格区分と優先順位は得意先別単価の管理方法で先に整理できます。価格改定の管理対象は、価格の決め方ではなく、確定した新単価へ切り替えるイベントです。

通知日・合意日・適用開始日の早見表

通知日は変更内容を得意先へ伝えた日、合意日は対象と条件を双方で確認した日、適用開始日は新単価を使い始める基準日です。3つの日付が同じとは限らないため、一つの「改定日」欄へまとめません。役割は、通知日に改定内容を伝える、合意日に適用条件を合意する、適用開始日に新旧単価を分ける、と整理します。

通知日合意日適用開始日対象旧単価新単価再見積要否
改定内容を伝えた日条件を双方で確認した日新単価を使い始める基準日対象得意先・商品現行条件を提示改定予定を提示通知時点では未判断
通知文の送付日返信・議事を記録した日個別に確定した基準日既出見積・受注残維持する条件を確定適用する条件を確定要・不要を確定
対象一覧の共有日承認記録の確定日切替を確認した日新規受注・単価マスタ承認済み例外を保持新規対象へ適用既出見積を再確認

通知日には通知文・送付先・送付記録、合意日には返信・議事記録・承認記録、適用開始日には切替結果・確認者・未処理一覧を証跡として残します。日付だけで適用可否を自動的に決めず、見積の有効期間や個別の合意内容も確認します。通知済みでも条件が未確定なら合意待ちとして分け、適用開始後も旧単価を使う取引は例外として残します。3つの日付を分けることで、確認が止まっている工程を特定できます。

価格改定を進める3ステップ

対象抽出・例外ルール・新旧単価の切替確認を示す3ステップ

対象となる得意先・商品・契約条件を抽出する

最初に、新単価の対象となる得意先、商品、契約条件を抽出します。得意先コード、商品コード、旧単価、新単価、通知先、契約・合意の有無を一覧にし、同名の支店や請求先を混同しないようにします。対象外とする取引も、除外理由を付けて残します。

取引先の登録単位が曖昧なら取引先マスタの整備方法で契約先・請求先・納品先を確認します。卸・商社で得意先と納品先が異なる取引の整理方法は、商社・卸の販売管理システムで詳しく確認できます。抽出後は担当営業と販売管理部門で件数を照合します。

既出見積と受注残の適用ルールを決める

3つの日付と既出見積・受注残・新規受注・単価マスタを交差させる改定判定表

対象を抽出したら、既出見積、受注残、新規受注、単価マスタの4つについて扱いを決めます。見積は有効期間と再見積の要否、受注残は受注時の条件と未納数量、新規受注は適用開始日、単価マスタは旧値を残す方法を確認します。請求時に参照する受注単価も判定結果と一致させます。

対象物通知日で行うこと合意日で行うこと適用開始日で行うこと確認結果
既出見積未受注の見積を抽出再見積・据置を記録有効な見積の扱いを再確認旧単価保持または再見積
受注残未納明細を抽出旧新どちらを使うか記録残数量と請求予定を確認例外対象を明示
新規受注対象と開始日を共有適用条件を確定新単価の参照を確認初回伝票を点検
単価マスタ変更予定を登録根拠と承認者を記録新旧の適用期間を確認旧単価を履歴として保持

この表は顧客調査の結果ではなく、販売管理の実装事実を基に3つの日付と4つの対象を整理した独自編集フレームです。表の判定を一律の契約解釈として使わず、実際の見積条件と個別合意を優先します。判断者、判断日、根拠、確認結果を対象ごとに残します。

判定結果は、顧客と商品を起点に、既出見積・受注残・新規受注・請求まで一列で照合します。変更前後を再現できるよう、判断だけでなく変更履歴も残します。

顧客商品既出見積受注残新規受注請求変更履歴確認結果
対象コード対象コード再見積または据置旧新単価の判定新単価の適用受注単価との一致変更日・判断者・根拠完了・例外・未処理

旧単価を残して新単価へ切り替え、確認する

切替時は旧単価を削除せず、適用終了日を付けて新単価と並べます。既出見積や受注済みの伝票は作成時点の単価を保持し、新規受注で参照する条件を別にします。新単価の開始後も旧単価が残る取引は、誤りではなく承認済みの例外として識別します。

確認では、対象件数と切替件数を照合し、新規受注の初回伝票を点検します。単価マスタ、見積、受注、請求予定を横断し、対象外の商品や得意先へ新単価が入っていないかも確認します。将来日の自動切替を前提にせず、実施担当者と確認担当者を分けます。

既出見積・受注残で起こる例外

見積有効期間と分納・入荷待ちで生じる価格改定の例外を示す図

見積有効期間中に改定日を迎える場合

見積有効期間中に適用開始日を迎える場合は、見積条件と得意先との合意を確認します。提出済みという理由だけで自動的に旧単価とも新単価とも決めず、再見積が必要か、既出見積を維持するかを案件ごとに判定します。回答期限と判断者も記録します。

再見積する場合は旧版を上書きせず、新しい版に変更理由と適用条件を残します。維持する場合も、受注時に旧単価を使う根拠を見積へ対応付けます。見積の版管理や受注との関係は見積管理システムの選び方で確認できます。

分納中・入荷待ちの受注残がある場合

分納中や入荷待ちの受注残は、受注明細ごとに受注数量、納品済数量、残数量を確認します。同じ受注でも納品済みと未納が混在するため、改定後の未納分だけを自動的に新単価へ変えません。受注時の条件、追加合意、請求単位を基に扱いを決めます。

判定結果は受注番号と明細へ関連付け、旧単価を維持する残数量と新単価の対象を分けます。取消や数量変更があれば、変更後の残数と価格根拠を再確認します。受注後の未納明細の追い方は受注管理システムの選び方で確認し、価格改定時はその明細ごとに単価を判定します。

通知・記録・システム運用の要点

改定根拠・合意・例外承認を顧客・見積・受注へ結ぶ運用図

改定根拠・合意内容・例外承認を残す

通知記録には、対象得意先、対象商品、新旧単価、通知日、適用開始日、送付先を残します。合意記録には、既出見積と受注残の扱い、例外の対象、判断者、判断日を加えます。口頭で確認した場合も、後から内容を追える記録へ置き換えます。

例外承認は、誰がどの対象に旧単価を認めたかを明確にします。単価だけを修正せず、申請理由、承認者、終了条件を一組で持ち、終了条件の確認日も記録します。例外が終了した後の参照先も定め、次の見積で過去の旧単価が無条件に再利用されることを防ぎます。

顧客・見積・受注を横断して確認する

システムでは、顧客コードを起点に改定対象、見積、受注、請求予定を横断して確認できることが重要です。販売HUBには顧客管理、カスタム項目の自由追加、見積管理、受注管理、請求管理があります。改定日、価格根拠、例外区分をカスタム項目で記録し、一体参照する範囲で活用します。

販売HUBは、将来日の予約自動切替と、既存の見積・受注を新単価へ自動更新する機能には対応していません。切替一覧を基に担当者が実施し、別の担当者が初回伝票と例外一覧を照合する運用にします。出典: 販売HUB公式サイト(https://hanbai-hub.com/・取得日 2026-08-15)

価格改定に関するFAQ

既に提出した見積の単価も変更できる?

提出済みの見積を変更できるかは、見積の有効期間、提示条件、得意先との合意によって判断します。価格改定の適用開始日だけを理由に一律変更せず、再見積が必要か、旧見積を維持するかを案件ごとに確認します。変更を求める場合は新しい版を発行します。

新しい版には、変更前の見積番号、改定理由、新単価の適用条件、回答期限を残します。旧版は削除せず、どの版が受注に採用されたかを追えるようにします。維持する場合も、旧単価が使われる根拠と対象期間を記録します。

単価マスタは改定日に上書きしてよい?

単価マスタを単純に上書きすると、過去の見積や受注で使った旧単価を再現しにくくなります。旧単価には適用終了日、新単価には適用開始日を持たせ、同じ得意先・商品でも期間で識別します。変更理由と承認者も履歴として残します。

システムに期間管理や予約切替がない場合は、カスタム項目と切替一覧で実施日を管理します。自動化されていると決めつけず、改定日に担当者が変更し、確認担当者が初回の見積・受注を照合します。旧伝票の単価は作成時点のまま保持します。

価格改定後に旧単価が残る取引をどう管理する?

旧単価が残る取引は、既出見積、受注残、個別合意などの理由ごとに例外区分を付けます。得意先、商品、対象数量、終了条件、根拠、承認者を一覧にし、新単価の取引と混在しても判別できる状態にします。旧単価であることだけを異常扱いしません。

定例確認では、例外が終了条件を迎えていないか、請求予定が判定結果と一致するかを確認します。新規受注に旧単価が残っている場合は、例外根拠の有無を調べます。根拠がないものだけを修正対象とし、承認済みの取引履歴は保持します。

まとめ|既存取引と新規取引の境界を先に決める

価格改定では、通知日・合意日・適用開始日の3つを分け、既出見積・受注残・新規受注・単価マスタの4対象ごとに扱いを決めます。旧単価を上書きせず、対象抽出、例外ルール、切替確認の順で進めることが重要です。

適用開始後も旧単価が残る取引は、根拠と終了条件を持つ例外として管理します。顧客・見積・受注・請求予定を一体で確認し、自動切替を前提にしない責任分担を整えてください。

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