受注残の管理方法|入荷待ち・取寄せ・分納を漏らさない仕組み
受注残は、受注数量・納品済数量・残数量を明細単位で分け、回答納期と残理由を売上とは別に管理します。受注番号だけを完了・未完了に分けると、一部の商品を納めた分納や、複数商品のうち一明細だけが入荷待ちの案件を追えません。残数と次の行動を同じ明細に持つことが必要です。
50〜200名規模の卸・商社では、営業、受注担当、購買、在庫担当が同じ受注残を更新できることが重要です。明細登録、分納・入荷・取消時の更新、完納・取消の確定という3ステップで、欠品・取寄せ・入荷遅延を理由別に管理し、納品漏れを防ぎます。
受注残とは何か

受注・受注残・売上の違い
受注は顧客から注文を受けた状態、受注残は受注済みでまだ完了していない数量または金額、売上は採用する計上方針に基づいて記録する実績です。受注した時点で全量を売上とみなさず、受注・納品・売上の各状態を分けます。受注残は将来の納品義務を追うための管理対象です。
たとえば10個を受注し5個を納品した場合、数量ベースの受注残は5個です。この例は受注残の定義を示すもので、売上の計上日は各社が採用する方針と証跡に従います。出典: 大塚商会「受注残とは?管理すべき理由や効率的な方法、システム導入のメリットを紹介」(https://www.otsuka-shokai.co.jp/erpnavi/product/smilev-sales/column-backlog-order.html・取得日 2026-08-15)
受注管理の機能や選定観点は受注管理システムの選び方で確認できます。受注残管理ではシステムの種類より、未納明細を誰がいつ更新し、何をもって閉じるかを決めることが中心です。受注番号と明細番号を共通キーとして保持します。
数量・金額・納期で見る受注残早見表

受注残は、数量だけでなく金額と納期も併せて確認します。数量は未納品の残り、金額は残数量に対応する受注金額、納期は顧客へ回答した期日と次の確認日を指します。状態ごとに更新契機と次の担当を決めると、営業だけが進捗を抱えません。
| 状態 | 開始条件 | 必要項目 | 更新契機 | 担当者 | 次状態 |
|---|---|---|---|---|---|
| 受注済 | 注文を登録 | 受注数、受注金額、希望納期 | 手配開始・取消 | 受注担当 | 手配中・出荷可能・取消 |
| 手配中 | 在庫・仕入を確認 | 残数、残金額、手配先 | 在庫確保・発注・取消 | 在庫・購買担当 | 出荷可能・入荷待ち・取消 |
| 入荷待ち | 在庫不足で発注済み | 残数、残金額、入荷予定、理由 | 仕入先回答・入荷・取消 | 購買担当 | 出荷可能・取消 |
| 分納中 | 一部を納品 | 納品済、残数、残金額、回答納期 | 納品・取消・入荷 | 受注担当 | 分納中・完納・取消 |
| 出荷可能 | 残数を用意済み | 残数、残金額、出荷予定、納品先 | 出荷・納品確認・取消 | 出荷担当 | 分納中・完納・取消 |
| 完納 | 残数がなく処理確認済み | 納品履歴、確認者 | 責任者の確認 | 販売管理担当 | 終了 |
| 取消 | 取消数量と理由を確定 | 取消数、取消金額、理由、承認者 | 責任者の確認 | 販売管理担当 | 終了 |
この表は顧客調査の集計ではなく、実装済みの受注管理・在庫管理・発注管理と、カスタム項目で記録できる範囲を基にした独自編集フレームです。専用の自動状態遷移を表すものではなく、残数量、回答納期、理由、担当者を担当者が更新します。取消で残数がなくなった場合は完納と区別し、取消理由と承認者を残します。
受注残を管理する3ステップ

受注明細ごとに残数量と手配状況を登録する
受注時は、受注番号だけでなく商品ごとの明細番号を持ち、受注数量、納品済数量、残数量を登録します。残理由、在庫確認結果、手配先、回答納期、次回確認日も同じ明細へ対応付けます。複数商品を一つの状態で管理しません。
初期の残数量は受注数量から納品済数量と取消数量を差し引いて確認します。在庫品、取寄せ品、入荷待ち品で手配経路を分け、未確定の納期を確約日として登録しないようにします。登録担当者と内容を確認する担当者を分け、注文書との数量照合を行います。
分納・入荷・取消のたびに残数を更新する
分納したら納品済数量を増やし、入荷したら手配状況と出荷可能数を更新します。取消が決まった場合は取消数量と理由を記録し、受注数そのものを過去へ遡って書き換えません。更新後は残数量と回答納期が整合するか確認します。
価格改定をまたぐ受注残では、残数量と旧単価を使う根拠を対応付けます。価格改定の実務で決めた例外区分を受注明細に残し、新規受注の単価と混同しないようにします。数量変更と単価変更を同時に行った場合も、それぞれの理由と承認履歴を分けます。
完納条件と受注残を閉じる責任者を決める
受注残は残数量がゼロになっただけで自動的に閉じず、納品履歴、取消、請求へ渡す数量を確認して完了させます。完納条件には、全明細の残数、納品確認、未処理の返品・取消、得意先への連絡を含めます。誰が最終確認するかを役割で決めます。
受注担当が更新し、販売管理担当が閉じるなど、入力と完了判断を分けると未処理を見つけやすくなります。取消で残数がゼロになった受注は完納と同じ集計へ混ぜず、終了理由を区別します。閉じた後に修正する場合の権限と再確認手順も決めます。
卸・商社で発生する受注残の類型

欠品・取寄せ・入荷遅延を区別する
欠品は必要な在庫がない状態、取寄せは受注後に仕入先へ手配する取引、入荷遅延は回答された入荷予定から遅れている状態です。すべてを「在庫なし」でまとめると、仕入先への発注が必要か、回答待ちか、顧客連絡が必要かを判断できません。理由コードを分けます。
卸・商社では、自社在庫から出す商品と受注後に手配する商品が同じ受注に混在します。商流ごとの受注・在庫・仕入の関係は商社・卸の販売管理システムで整理できます。理由ごとに次の担当、確認期限、顧客への回答内容を対応付けます。
滞留日数・期限超過件数を定例確認する
滞留日数は受注日または受注残となった基準日から確認日までの日数として、社内で起点を統一します。期限超過件数は、回答納期や次回確認日を過ぎても残数量がある明細を数えます。数値だけでなく、欠品・取寄せ・入荷遅延の理由別に分けて確認します。
確認頻度は取引量と納期の短さに合わせ、担当者不在でも一覧を見られるようにします。期限超過が増えた場合は、仕入先回答の遅れ、更新漏れ、顧客回答の未変更を分けて調べます。件数を減らすために回答納期を空欄へ戻すことはせず、次の行動と責任者を決めます。
受注残管理に必要なシステム要件

明細・残数量・回答納期・理由コードの確認項目
システムでは、受注番号、明細、受注数、納品済、残数、手配状況、回答納期、遅延理由を一つの一覧で確認できることが重要です。更新者、更新日時、次回確認日も残し、誰が次に動くかを追います。完納・取消の終了理由も区別します。
| 受注番号 | 明細 | 受注数 | 納品済 | 残数 | 手配状況 | 回答納期 | 遅延理由 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 共通キー | 商品・行番号 | 注文数量 | 納品済数量 | 未納数量 | 在庫確認・発注・入荷待ち等 | 顧客への回答日 | 欠品・入荷遅延等 |
販売HUBには受注管理、シンプルな単品の在庫管理、発注管理があります。残理由や次回確認日はカスタム項目に記録し、受注・在庫・発注を一体で参照します。出典: 販売HUB公式サイト(https://hanbai-hub.com/・取得日 2026-08-15)
受注・在庫・発注の元データを分断しない
受注残一覧を別の表計算へ転記すると、受注変更、在庫の入出庫、仕入先への発注が反映される時点に差が出ます。受注明細を共通キーにして、在庫確認と発注明細を関連付け、元データから残数を確認できる構造が必要です。転記による二重更新を避けます。
販売HUBに在庫引当の自動化と受注残専用の自動状態遷移はありません。担当者が受注明細の残数・理由・回答納期を更新し、定例確認で期限超過を拾う運用が必要です。受注と在庫の連携設計は受発注と在庫を連携させる方法、在庫機能の選定は在庫管理システムの選び方も確認材料になります。
受注残管理に関するFAQ
受注残数量はどう計算する?
基本形は「受注残数量=受注数量-納品済数量-取消数量」です。計算する数量の単位を商品ごとにそろえ、ケースと単品など異なる単位をそのまま差し引きません。返品が発生した場合は、再納品が必要か、受注自体を減らすかを確認して扱います。
計算後の残数だけでなく、受注数、納品済、取消の内訳を保持します。分納や取消のたびに履歴を追加し、過去の納品数量を上書きしません。残数がゼロでも、納品確認と請求へ渡す数量を確認し、確認責任者が根拠を照合してから受注残を閉じます。
分納したときは受注を分けるべき?
元の受注との関係を残したまま、納品履歴を分けて管理する方法が基本です。受注明細ごとに受注数量、各回の納品数量、残数量を持てば、何が未納かを追えます。別受注として作り直すと、当初の注文数量と残数の関係が分かりにくくなります。
納品先、価格条件、請求単位が途中で変わる場合は、元受注を参照できる形で明細または伝票を分けます。分けた理由と対象数量を記録し、両方の残数を合計して元の注文と照合します。完納の判断者が分割後の全明細を確認します。
受注残は売上として扱う?
受注済みであることと売上計上は同一ではありません。受注残は未完了の受注を管理する情報であり、売上は各社が採用する計上方針と確認証跡に従って記録します。受注金額をそのまま当期の売上実績へ加えないように分けます。
経営見込みとして受注残金額を参照する場合も、確定売上とは別の指標として表示します。分納では納品済み部分と残数量を分け、売上側の処理と受注残側の更新を照合します。完納条件と売上計上の条件は別々に定義し、担当部門を明確にします。
まとめ|残数と更新責任者を明確にする
受注残は、受注数量・納品済数量・取消数量から残数を求め、回答納期、残理由、次の担当を明細ごとに管理します。登録、分納・入荷・取消時の更新、完納・取消の確定という3ステップを固定することが重要です。
欠品・取寄せ・入荷遅延を区別し、滞留日数と期限超過件数を理由別に確認します。受注・在庫・発注の元データを一体で参照し、自動処理がない範囲は責任者と更新契機を運用で補います。
関連記事
- 価格改定の実務|既出見積・受注残・単価マスタの切り替え方
- 商社・卸の販売管理システム|多段取引・在庫を一元化する選び方
- 在庫管理システムの選び方|BtoB物販が一元化する基準
- 受注管理システムとは|BtoB法人営業に必要な機能と選び方
自社の受注残を明細・残数・回答納期・理由で整理し、販売HUBの受注・在庫・発注管理に合うか確認できます。入荷待ちや分納の更新ルールに迷う場合は、無料で相談するからご相談ください。
販売管理をExcelから卒業しませんか
案件・顧客・商品から見積→受注→請求まで、すべて1画面で管理。
BtoB物販企業のための販売管理SaaS、月額¥2,980/名(6名以上)〜。


