営業ノウハウ

複合機リースの仕組みと提案のコツ|販売代理店が知っておくべき全知識

販売HUB編集部
2026年4月27日12分で読める

複合機の導入方法として最も一般的なのがリース契約です。エンドユーザー向けの解説記事は多いですが、販売代理店が「どうリースを提案すれば成約率が上がるのか」という売る側の視点で書かれた記事はほとんどありません。

本記事では、複合機リースの基本的な仕組みに加えて、販売代理店が商談で使える提案のコツ3つと、リース管理の実務まで解説します。

複合機リースの基本 — 仕組みとメリット・デメリット

ファイナンスリースとオペレーティングリースの違い

複合機のリースには主に2種類あります。

項目ファイナンスリースオペレーティングリース
契約期間3〜7年(5年が主流)1〜5年(短期が多い)
中途解約原則不可条件付きで可能
月額料金安い(総額で物件価格の90%以上)やや高い(残価設定あり)
契約満了後再リースまたは返却返却が基本
会計処理リース資産として計上(新リース会計基準)オフバランス可能なケースあり

OA機器業界ではファイナンスリース(5年契約)が約80% を占めます。エンドユーザーにとって月額料金が安く、販売代理店にとっても5年後の更新営業が見込めるためです。

2種類のリース完全対比

エンドユーザーにとってのメリット・デメリット

メリット:

  • 初期費用ゼロで最新機種を導入できる
  • 月額料金が固定で予算管理しやすい
  • 保守・メンテナンス契約が付帯するケースが多い

デメリット:

  • 中途解約すると違約金が発生する
  • 5年間の総支払額は一括購入より割高になる
  • リース満了時に機器は返却(自社資産にならない)

エンドユーザーが最も気にするのは「買うのとどっちが得か」です。この疑問に対する回答を準備しておくことが、提案の第一歩です。

販売代理店が複合機リースを提案するときの3つのコツ

コツ1 — 月額コストの比較表を使い「購入より得」を示す

エンドユーザーが「リースと購入、どっちがいいの?」と聞いてきたら、月額ベースの比較表を見せるのが最も効果的です。

項目一括購入5年リース
初期費用120万円0円
月額費用0円(保守は別途)約22,000円(保守込み)
5年間総額120万円 + 保守60万円 = 180万円132万円
資金繰りへの影響初月に大きな支出毎月均等で予算化しやすい

上記は一例ですが、ポイントは「総額が安い」ことと「初期費用ゼロ」の2つの訴求を組み合わせることです。特に中小企業は資金繰りを重視するため、「初期費用ゼロ」の訴求が刺さります。

複合機 一括購入 vs 5年リース 5年累計コスト

コツ2 — リース満了の1年前からアプローチを始める

リース満了が近づくと、エンドユーザーは自ら情報収集を始めます。この段階で競合他社が先に提案していると、後から巻き返すのは困難です。

業界のセオリーは満了日の1年前にファーストコンタクトを取ること。

タイミングアクション
満了1年前ファーストコンタクト。現在の使用状況のヒアリング
満了6ヶ月前新機種の提案書を提出。デモの実施
満了3ヶ月前見積提出。リース会社への審査申請
満了1ヶ月前契約締結。設置日の調整

このスケジュールを回すためには、全顧客のリース満了日を正確に把握する仕組みが不可欠です。数十件なら手帳やExcelでも管理できますが、顧客が100件を超えると確実に漏れが出ます。

リース満了 12ヶ月アプローチタイムライン

コツ3 — 複合機+UTMのセット提案で単価を上げる

複合機の更新商談は、クロスセルの絶好のチャンスです。

リース満了で複合機を入れ替えるタイミングは、ネットワーク環境全体を見直す機会でもあります。ここでUTM(統合脅威管理)やビジネスフォンを合わせて提案することで、1商談あたりの売上を1.5〜2倍に引き上げられます。

提案トーク例:

「複合機を入れ替えるこのタイミングで、セキュリティ対策も一緒に見直しませんか?最近、中小企業を狙ったランサムウェア被害が急増しています。UTMを導入すれば、月額数千円で社内ネットワーク全体を守れます。」

OA機器営業の実践的なノウハウは「OA機器営業のコツ|成果を出す販売代理店が実践する5つの方法」でさらに詳しく解説しています。

クロスセル単価アップ階段

リース管理の実務 — 満了日・残高・更新時期の管理方法

Excelでのリース管理が破綻する理由

多くの販売代理店がExcelでリース満了日を管理していますが、以下の問題が発生します。

  • 更新忘れ: ファイルを開かないと満了日が確認できない。リマインド機能がない
  • データの散在: 担当者ごとにExcelファイルが別々。全体の満了件数が把握できない
  • 引き継ぎ困難: 担当変更時にExcelの受け渡しが必要。フォーマットもバラバラ

リース案件が50件を超えると、Excelでの管理は現実的ではなくなります。

Excel管理 vs クラウド管理 Before/After

クラウドツールでリース満了を自動リマインドする

販売管理クラウドを導入すれば、リース満了日を登録するだけで満了1年前・6ヶ月前・3ヶ月前に自動通知が届きます。

担当者が変わっても、全案件の満了スケジュールがチーム全員に共有されるため、フォロー漏れのリスクがゼロになります。

案件管理の詳しい要件と選び方は「案件管理ツールの選び方|OA機器販売のリース案件を漏れなく管理する方法」で解説しています。

リースとレンタルの違い — 顧客に聞かれたときの回答例

エンドユーザーからよく聞かれるのが「リースとレンタルって何が違うの?」という質問です。

契約期間・料金・機種選択の違い

項目リースレンタル
契約期間3〜7年(長期)1日〜数ヶ月(短期)
機種選択新品を自由に選べるレンタル会社の在庫から選ぶ
月額料金安い(長期契約のため)高い(短期のため割高)
保守対応メーカー or 代理店が対応レンタル会社が対応
中途解約原則不可(違約金あり)いつでも解約可

どんな企業にリースを勧めるべきか

リースが向いている企業:

  • 常設のオフィスがあり、3年以上の利用が確実
  • 最新機種を選びたい
  • 月額費用を固定化して予算管理したい

レンタルが向いている企業:

  • プロジェクトルームや期間限定オフィスで短期間だけ使いたい
  • 機種にこだわりがなく、すぐに使い始めたい

ほとんどの法人顧客にはリースが最適ですが、期間限定のケースではレンタルを提案する柔軟さも持っておきましょう。

まとめ — リース提案力が代理店の収益を左右する

複合機リースは、OA機器販売代理店にとって最も安定した収益源です。5年ごとに確実にやってくる更新タイミングを逃さず、クロスセルで単価を上げることが、代理店経営の安定につながります。

そのために必要なのは、リース満了日の正確な管理と、計画的な提案スケジュールの実行です。Excel管理の限界を感じているなら、販売管理クラウドの導入を検討するタイミングかもしれません。


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