メーカー直送の管理方法|受注・発注・売上・仕入をつなぐ実務
メーカー直送は、受注明細と仕入先への発注を共通番号で結び、出荷証跡を確認して売上・仕入・請求を整合させて管理します。商品が自社倉庫を通らないため、入出庫だけを見ていると納品済みか、原価が確定したか、請求できるかを判断できません。受注・発注・出荷証跡の3伝票を一対で追う必要があります。
対象は、顧客から受注した商品を仕入先が顧客の納品先へ発送するBtoB卸の直送取引です。ECで在庫を持たずに一般消費者へ販売する商流とは、受注条件、納品書、請求、仕入確認の主体が異なります。直送条件の確認、仕入先発注、出荷証跡と売上・仕入の照合という3ステップで処理を標準化します。
メーカー直送とは何か

自社倉庫出荷とメーカー直送の違い
自社倉庫出荷は、仕入れた商品を自社在庫として保管し、顧客の注文に応じて自社から出荷します。メーカー直送は、顧客受注を基に仕入先へ発注し、仕入先が顧客の納品先へ直接発送します。自社の物理的な入出庫を通らない点が大きな違いです。
ただし、物理在庫を通らないことは販売管理が不要という意味ではありません。顧客への販売数量、仕入先への発注数量、出荷済み数量、販売価格、仕入原価、請求状況を追う必要があります。卸・商社の多段取引との関係は商社・卸の販売管理システムも確認材料になります。
BtoB直送で必要な記録の早見表

直送では、顧客受注と仕入先発注の双方に直送区分、納品先、送り主、納品書の扱いを記録します。仕入先から出荷連絡を受けたら、配送会社、送り状番号、出荷日、数量などの証跡を受注明細へ関連付けます。証跡がないまま納品済みにしません。
| 物流経路 | 必要伝票 | 在庫処理 | 出荷確認 | 納品書 | 原価確認 |
|---|---|---|---|---|---|
| 自社倉庫出荷 | 受注・出荷・売上 | 自社の入出庫を記録 | 自社の出荷記録 | 自社の運用で発行 | 仕入・在庫原価を確認 |
| メーカー直送 | 顧客受注・仕入先発注・出荷証跡 | 物理在庫を通さない区分を記録 | 仕入先の証跡を確認 | 名義・宛先・同梱可否を事前確認 | 発注明細・仕入記録を照合 |
在庫処理は、直送品を自社在庫へ入出庫したように見せる方法と混在させません。直送区分を持ち、在庫数量とは別に手配状況と数量を管理します。自社倉庫出荷と直送のどちらにも該当する受注は、明細単位で物流経路を分けます。
メーカー直送を処理する3ステップ

受注時に直送区分・納品先・送り主を確認する
受注時は、商品ごとに自社出荷か直送かを区分し、納品先の名称・住所・担当者・受入条件を確認します。併せて、送り主を自社名義とするか仕入先名義とするか、納品書を同梱できるかを仕入先へ確認します。顧客の注文条件と仕入先の対応を照合します。
直送できない商品や地域がある場合は、担当者の記憶ではなく商品・仕入先の条件として記録します。顧客希望日を確約日へ置き換えず、仕入先回答を得るまで条件付きで管理します。納期回答の記録方法は納期管理と納期回答の方法に沿ってそろえます。
仕入先へ発注し、顧客受注と関連付ける
仕入先への発注には、顧客受注の共通番号、商品、数量、仕入単価、納品先、希望出荷日、直送条件を記録します。発注番号だけを別に採番して終わらせず、どの受注明細から生じた発注かを相互にたどれる状態にします。数量や商品コードも明細単位で照合します。
一つの受注明細を複数仕入先へ分ける場合は、各発注明細の数量合計を受注数量と照合します。発注後の回答、欠品、納期変更は顧客受注側へ反映し、仕入先だけのメモで止めません。発注業務の標準化は受発注システムの選び方も確認材料になります。
出荷証跡を確認して売上・仕入処理へつなぐ
仕入先から出荷連絡を受けたら、出荷日、商品、数量、納品先、配送会社、送り状番号を確認します。顧客受注と仕入先発注の両方へ証跡を関連付け、数量差や納品先違いがあれば売上・仕入の処理前に解消します。出荷連絡だけで全量完了としません。
売上と仕入は、各社が採用する計上方針と確認証跡に従って同じ取引単位で記録します。請求対象と仕入原価が共通番号で照合できれば、売上だけ計上され原価が後から判明するずれを見つけられます。処理日、担当者、証跡の保管先も残します。
直送で起きやすい伝票・連絡のずれ

納品書の宛先・送り主・同梱可否を決める
直送では、顧客の納品先と仕入先の出荷元が直接つながるため、納品書の名義と同梱物を事前に決めます。顧客名、納品先名、注文番号、商品・数量が正しいかを確認し、仕入価格が分かる書類を顧客へ送らない運用も仕入先と共有します。対応可否を受注前に確認します。
仕入先が自社名義の納品書へ対応できない場合は、顧客へ伝える書類と送付方法を決めます。一律の名義を前提にせず、得意先・仕入先・商品の組み合わせで条件を記録します。出荷後に名義違いが分かった場合の連絡担当と訂正方法も定めます。
数量違い・欠品・取消を双方へ反映する
仕入先の出荷数量が顧客受注と違う場合は、出荷証跡の数量を確認し、受注側と発注側の双方へ差異を記録します。欠品なら残数量と次回回答日、取消なら顧客と仕入先の合意内容を残します。片側だけを修正すると請求と仕入が一致しません。
一部出荷では受注済、発注済、出荷済、残数量を明細単位で分けます。未納分の更新は受注残の管理方法に沿い、直送の出荷証跡を残理由と対応付けます。差異を解消した担当者と確認日も記録し、完納条件を満たしてから閉じます。
販売管理で確認する要件

物理在庫を通さない取引の記録方法を決める
直送品は自社倉庫を通らなくても、受注数量、発注数量、出荷数量、残数量を記録します。在庫品の入出庫とは別の直送区分を設け、在庫が減ったように見せる処理を避けます。仕入先の出荷証跡を納品状況の確認元として保持します。
販売HUBには受注管理と発注管理があり、カスタム項目に直送区分、納品先、証跡情報を記録できます。直送専用の自動伝票生成はありません。顧客受注を基に担当者が仕入先発注を作成し、共通番号で関連付ける運用が必要です。出典: 販売HUB公式サイト(https://hanbai-hub.com/・取得日 2026-08-15)
受注・発注・原価・収支を共通単位で追う
受注・発注・出荷証跡を共通番号で結び、売上と仕入を同じ明細で照合します。販売価格と仕入単価の差だけでなく、送料や案件に関連する原価をどの単位へ含めるかを社内で決めます。差異がある取引は請求確定前に一覧化します。
| 共通番号 | 受注 | 発注 | 出荷証跡 | 売上 | 仕入 | 差異 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 直送取引の識別子 | 顧客・商品・数量・販売価格 | 仕入先・商品・数量・仕入単価 | 出荷日・数量・送り状番号 | 計上方針に基づく記録 | 計上方針に基づく記録 | 数量・単価・日付・納品先を確認 |
この表は顧客調査の集計ではなく、受注・発注・出荷証跡の3伝票と売上・仕入を照合する独自編集フレームです。販売HUBには案件別の原価・収支管理があり、直送取引も案件単位で売上と原価を確認できます。案件別粗利の見方は案件別の粗利管理も確認材料になります。
メーカー直送に関するFAQ
直送品は在庫管理しなくてよい?
自社倉庫の物理在庫として入出庫しなくても、直送品の数量管理は必要です。顧客から受けた数量、仕入先へ発注した数量、出荷済み数量、未納数量を明細単位で追います。在庫を通らないことと、手配状況を記録しないことは別です。
直送区分を持ち、在庫品の数量へ影響させる処理と分けます。仕入先の出荷証跡が確認できるまで未完了として管理し、欠品や分納があれば残数量と次回回答日を残します。商品別・仕入先別に直送可否も確認します。更新担当者も明記します。
直送時の納品書は誰の名義にする?
納品書の名義は、顧客との取引条件と仕入先が対応できる出荷方法を基に事前に決めます。自社名義、仕入先名義、別紙対応などの可否を確認し、一律に決めつけません。宛先、送り主、注文番号、同梱書類も併せて確認します。
仕入価格が分かる書類を顧客へ送らないための同梱条件も仕入先と共有します。受注時に名義と同梱可否を記録し、発注書にも同じ条件を記載します。出荷後に誤りが判明した場合の連絡担当と訂正方法を決めます。顧客への連絡履歴も必ず残します。
直送の売上と仕入はいつ計上する?
直送の売上と仕入は、各社が採用する会計・取引方針と確認証跡に従って継続的に判断します。仕入先の出荷連絡、顧客への納品確認、請求など、どの証跡を基準にするかを社内で統一します。一律の日付を全取引へ当てはめません。
売上と仕入で参照する共通番号を持ち、出荷証跡と数量を照合します。分納や月またぎがある場合は、明細ごとの出荷済み数量と残数量を分けます。処理基準と証跡の保管先を定め、同じ条件で継続運用します。判断責任者と確認日も明記します。
まとめ|顧客受注と仕入先発注を一対で追う
メーカー直送は、顧客受注と仕入先発注を共通番号で結び、仕入先の出荷証跡から数量・納品先・日付を照合します。自社倉庫を通らなくても、受注数量、発注数量、出荷済み数量、残数量、売上、仕入を同じ明細で追うことが重要です。
直送条件、納品書、数量差、欠品・取消の扱いを事前に決め、片側だけの修正を防ぎます。受注・発注・案件別原価・収支の一体管理と、担当者による3伝票照合を組み合わせてください。
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